PM2.5と煙草の関係

意外と知られていないPM2.5とタバコの関係(転載)

PM2.5は粒子状物質(Particulate Matter)で、直径が2.5ミクロン以下の非常に小さな粒子を意味します。
 呼吸で肺の奥まで浸入し、PM2.5の濃度が高い地域の住民の死亡率が高くなるので注目されています。具体的には、心臓病、気管支喘息、肺がんなどが増加します。
 PM2.5が 10 μg/ m³を超えると、全死亡リスクが直線的に増加(10μg/m³あ たり 10~15%増)することが研究で判明しています。(1) 
 上記研究結果などから、世界保健機関は規制目標とすべき大気の PM2.5を「1年平均値で10 μg/m3未満、1日平均値で 25 μg/m3未満」とすることを勧告しました。日本の環境省のPM2.5に関する基準は「1年平均値が15μg/m3以下であり、かつ、1日平均値が35μg/m3以下」であることとしています。

 中国北京の環境汚染で有名になりました。PM2.5が400-900μg/m3まで達することで、全世界を驚かしました。
 日本での測定が始まっています。一時的に環境基準値(35μg/m3) を超えることが起こっており、その度にマスコミに取り上げられるようになってきました。

 しかし、ここで忘れてはいけないのは、タバコの燃焼によって発生する煙もPM2.5であることです。
 禁煙でない飲食店のPM2.5は、200-800μg/m³に 達することもあります。(2)

 北京は問題ですが、日本では、中国からのPM2.5 よりは受動喫煙の方がはるかに問題であると言えます。

<参考>
(1) Dockery DW et al. An Association between Air Pollution and Mortality in Six U.S. Cities. N Engl J Med. 1993;329(24):1753-9.
(2) 「受動喫煙の防止を進めるための効果的な行政施策のあり方に関する研究 」http://www.tobacco-control.jp/ – PM2.5 の解説から、動画、写真まで専門家のサイトです。ぜひ、ご覧下さい。

PM2.5 関心空間より
http://www.kanshin.com/keyword/11865109

禁煙推進学術ネットワーク(委員長、藤原久義・兵庫県立尼崎病院長)によると、福岡市の喫煙可能な喫茶店での測定結果は常に1立方メートルあたり300マイクログラムを超え、平均371マイクログラム。横浜市のカフェの喫煙席も200~700マイクログラムだった。日本の1日平均の環境基準である35マイクログラムを大きく上回り、中国の屋外と同様の濃度を記録した。

 

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