月別アーカイブ: 2016年8月

外環連合ニュース 2号

東日本高速道路会社が保存対象のクロマツを伐採 

国道 14 号隣接地に仮移植中の 20 数本

「工事の遅れを取り戻すのに邪魔」の理由に市川市も同意

市川市内の京成菅野駅と国道 14 号の外環工 事を担当している東日本高速道路会社は「同 区間の工事が遅れていて、平成 29 年度の供用 開始に間に合わせるためには菅野駅側からだ けでなく、国道 14 号側からも工事を行う必要があり、クロマツが邪魔になる」として 14 号陷接地に仮移植していたクロマツ 20 本以上を 伐採しました。

当初「200 本全部残せる」と強弁 現状、ついに 50 数本のみに

外環路線上には菅野から平田にかけ 200 本近くのクロマツがありました。外環受け入れ か否かを審議した市川市議会の外環特別委員 会で国土交通省首都国道事務所は「移植でク ロマツは全部残せる」と強弁していました。 しかし市が受け入れ後の「クロマツ移植検討 会」でクロマツの半数以上は移植に堪えない ことが判明、半数以上が伐採され、移植可能 と判断された 70 数本が工事終了まで数か所 に分けられて仮移植されていました。今回伐 採されたクロマツはその一つです。

雨の中、伐採中止を求める住民、関係団体の声を無視し強行

伐採は 6 月 13 日の月曜日から行われ、情報を知った菅野、平田の住民や「まちづくり家づくり Café」「緑の市民フォーラム」のメンバーなど10数人が隙の中駆けつけ、工事関係者に伐採中止 を要請しました。しかし東日本高速道路会社の工事責任者は「既に市川市や地元自治会も了解して いる」として伐採を強行しました。市川市の担当者は「クロマツを出来るだけ残すよう要望はした が、道路の供用開始が平成 29 年度以降になってはと、強く残せと言えなかった」と弁明。住民か らは「道路優先で、クロマツは守るという約束を忘れた市の姿勢」と批判の声が上がっています。

「外環の供用開始が優先、環境は後回しなのか?」

今回のクロマツ伐採に対する市川市の姿勢は「ほかの環境問霔でも同じことにならないか」とい う懸念を私達住民に抱かせます。市川市は 2013 年に市長名で国(首都国道事務所)に対し、環境 問霔についての要請を行っています。このなかで市川市は「ジャンクションなど構造が複隑で影雸 が大きい場所での大気、騒雴の詳細な影雸予渑」「埼玉区間の外環や名古屋環状道路での大気汚染 の実態調査に基づく汚染寄与溋度の検証」「騒雴については幹線道路沿いの現状の緩められた環境 基渰(昼間 70 デシベル、夜間 65 デシベル)だけでなく、アセスメント実施時の保全目標だった旧環境基渰(昼間 60 デシベル、朝夕 55 デシベル、夜間 50 デシベル)を達成するように」「騒雴対策は景観に配慮したものとすること」「環境モニタリングは供用開始の少なくとも 2 年前から開始す る」などを要請しました。

市の要請に首都国道事務所は回答なしのまま

上記、市の要請に対し国から回答がないまま、2 年が経過した昨年 11 月、私達は副市長と会見 し市の要請に対する回答を事務所側に促し、きちんと回答をもらうよう求めました。 席上、副市長はこれを確約しましたが、いまだに国からの回答は来ていません。

環境問題未解決のまま、供用開始をさせないために

市がよほど強い働きかけをしない限り、国が市の要請に応える見込みはありませんが、今回の「ク ロマツ伐採」で見られたような「道路の供用開始優先」の姿勢では望み薄です。こうした状況から 私達は「環境問霔が未解決のままの外環の供用開始を認めない」という意思を裁判所への「道路の 供用開始差し止め」の仮処分申請という形で表明したいと考えています。