.2013年度の二酸化窒素(NO2)測定結果のまとめ
1.はじめに
市川市全域における自動車排出ガス 二酸化窒素(NO2)の濃度を、天谷式簡易カプセルを用いて、毎年6月と12月に全国の一斉測定日に合わせて測定しており、1992年に開始以来22年間になります。
測定に用いる天谷式簡易カプセルは、2007年度からはより信頼性の高い改良型(第6世代(6G))カプセルを用いており1)、6Gカプセルの測定によるこの7年間の推移も報告します。
注(1):1Gカプセルと6Gカプセルの比較試験と両測定値の相関性等については、
2006年度と2008年度の測定報告書に詳述。
2.2013年度定例測定の関連作業
(1) 第43回測定
定例測定日時:2013年6月6日(木)18時~6月7日(金)18時
カプセル作成日:5月19日 約1200本作成 参加者8名
カプセル分析日:6月23日 参加者13名
測定参加者:97名(「関さんの森」の測定者を除く)
(2)第44回測定
定例測定日時:2013年12月5日(木)16時~6日(金)16時
カプセル作成日:11月24日 約1250本作成 参加者12名
カプセル分析日:12月21日 約1100本 参加者10名
測定参加者:96名(「関さんの森」の測定者を除く)
3.測定条件
(1)NO2のカプセル捕集量(μg)から大気中濃度(ppm)への換算式
(イ)6月度測定
カプセルの行政測定局取付け試験
2013年7月2日(火)~3日(水)、7月6日(土)~7日(日)及び7月25日(木)~26日(金)の3回にわたり、東京都延9局、市川市4局、松戸市延2局へのカプセル取付け試験を行いました。この15局の取付け試験から得られた15組と原点を加えた16組の[カプセル捕集量(μg):測定局大気中濃度(ppm)]の値から下記の相関直線式(1)が得られ、この式を6月度の換算式として用いました。
Z(ppm)=0.0332349Y(μg)-0.0009846 相関係数 r=0.98 (1)式
(ロ)12月度測定
カプセルの行政測定局取付け試験
2012年11月28日(木)~29日(金)、12月5日(木)~6日(金)及び12月17日(火)~18日(水)の3回にわたり、東京都延べ8局、市川市延べ8局、松戸市延べ2局への取付け試験を行いました。上記18局の取付試験から得られた18組と原点を加えた19組の[μg:ppm]の値から得た下記の相関直線式(2)を12月度の換算式として用いました。
Z(ppm)=0.0423205Y(μg)+0.0044459 r=0.97 (2)式
(2)測定時の気象状況と行政局測定の大気汚染濃度
(イ)測定時の気象状況
6月と12月の測定時間帯の気象状況は表1の通りでした。
表1 2013年6月度と12月度における測定時間帯の気象状況
6月6日(木)16時~7日(金)20時 | 12月5日(木)16時~6日(金)20時 | |
天気 | 両日ともうす曇りで、弱風の測定に適した天候 | 5日は快晴6日はうす曇りで、ともに微風の測定に適した天候 |
風向 | 両日とも南または南東寄りの風 | 5日は南寄り、6日は北または北西寄り |
平均風速(m/sec) | 1.4 | 0.7 |
平均気温(℃) | 20.0 | 8.9 |
平均湿度(%) | 67.4 | 65.0 |
雨量 | 0 | 0 |
注)雨量のみ船橋局、他は全て本八幡局のデータ
(ロ)行政局における大気汚染濃度
6月度12月度の測定時間帯における市川市測定局の大気汚染濃度は表2の通りでした。
市川市測定局における汚染濃度は6月度は例年に比べて低目で、逆に12月度は例年に比べ高めで、12月度のPM2.5濃度は環境基準の日平均値(30μg/ m3以下)の上限に近い値でした。
表2 2013年6月度と12月度測定時間帯の行政局における大気汚染物質平均濃度
日時 | 6月6日(木)16時~7日(金)20時 | 12月5日(木)16時~6日(金)20時 | ||||
測定局 | 本八幡局 | 市川局 | 行徳局 | 本八幡局 | 市川局 | 行徳局 |
NO2 (ppm) | 0.007 | 0.016 | 0.017 | 0.047 | 0.051 | 0.047 |
NO (ppm) | 0.0004 | 0.007 | 0.009 | 0.057 | 0.074 | 0.066 |
SPM (mg/m3) | 0.010 | 0.010 | 0.016 | 0.034 | 0.034 | 0.032 |
オキシダント(ppm) | 0.037 | 0.007 | ||||
PM2.5(μg/m3) | 7.5 | 9.0 | 29.6 | 25.4 |
注)本八幡局は八幡小校庭内の一般大気汚染測定局。 市川局は国道14号線沿い、JR市川駅近くの自動車排気ガス測定局。行徳局は行徳バイパス沿い市川7中隣接の自動車排気ガス測定局。
(ハ)測定日近辺24日間の市川市測定局測定によるNO2濃度と風速の変化
図1に6月度と12月度の定例測定日周辺における市川市測定局のNO2濃度日平均値と風速日平均値の変化を示します。6月度12月度とも、一般局2局のNO2平均値と自排局2局のNO2平均値が良く同調して動き、市川の広い範囲でNO2濃度はほぼ同様の波形で変化していることが分かります。また風速とNO2濃度はほぼ逆比例することも示されています。これらの特徴は例年と同じです。 (注)1ppb=0.001ppm
図1 測定日周辺の市川市測定局におけるNO2濃度と風速の変化
6月度
12月度
この図から2013年度の定例測定日は汚染濃度が高い時なのか低い時なのかを見ます。定例の測定時間は6月は6日の18時から7日の18時まで、12月は5日の16時から6日の16時までですから、両月とも後の日の方が測定時間が長いことになります。図1から6月は後の日7日は周辺に比べ低目の日、逆に12月の後の日6日は周辺で最も高い日でした。このことから私たちの測定値も、6月は全体が低めに、12月は全体が高めになると予想されます。
4.2013年度測定結果のまとめ
(1)市川市内全域のNO2汚染状況
(イ)市内全域及び住宅地点と沿道地点のNO2平均濃度とその推移
ここで市川市内として、例年通り隣接する松戸市矢切地区と近辺及び串崎新田地区および船橋市本中山地区を含むこととします。6月度と12月度における市内全地点及びこれを住宅地点と幹線道路沿い地点(沿道地点とする)に分けた時のそれぞれの平均濃度と測定数の2007年度からの推移を表3に、平均濃度の推移を図2に示します。
表3 市内「全地点」、「住宅地点」及び「沿道地点」のNO2平均濃度と測定数の推移
6月度
2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | ||
全地点 | 平均濃度(ppm) | 0.032 | 0.032 | 0.026 | 0.023 | 0.033 | 0.021 | 0.016 |
測定数 | 351 | 378 | 356 | 377 | 336 | 378 | 377 | |
住宅地点 | 平均濃度(ppm) | 0.029 | 0.027 | 0.021 | 0.017 | 0.028 | 0.017 | 0.012 |
測定数 | 283 | 282 | 246 | 247 | 229 | 252 | 249 | |
沿道地点 | 平均濃度(ppm) | 0.045 | 0.047 | 0037 | 0.035 | 0.045 | 0.029 | 0.024 |
測定数 | 68 | 96 | 110 | 130 | 107 | 126 | 128 |
12月度
2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | ||
全地点 | 平均濃度(ppm) | 0.049 | 0.038 | 0.029 | 0.047 | 0.035 | 0.034 | 0.048 |
測定数 | 338 | 377 | 365 | 338 | 366 | 375 | 387 | |
住宅地点 | 平均濃度(ppm) | 0.046 | 0.034 | 0.026 | 0.039 | 0.030 | 0.030 | 0.043 |
測定数 | 280 | 274 | 253 | 222 | 245 | 245 | 252 | |
沿道地点 | 平均濃度(ppm) | 0.064 | 0.050 | 0.037 | 0.062 | 0.045 | 0.041 | 0.057 |
測定数 | 58 | 103 | 112 | 116 | 121 | 130 | 135 |
2013年度も含め例年、沿道地点は住宅地点より常に0.01ppm~0.02pp高濃度となっています。
表3と図2から、2013年6月度は全地点、住宅地点、沿道地点ともその平均濃度はこれまでで最も低くなりました。逆に12月度は前々年、前年と続いた減少傾向が一転して上昇しました。これがこのシーズンの真の傾向なのかについては、この後で検討します。
有効測定数は両月とも、これまでの最多あるいはそれに並ぶ件数でした。
図2 2013年度 市川市内のNO2濃度の年度推移
(ロ)市川市大気汚染測定局の22年間におけるシーズン平均NO2濃度の変化
これは当会が測定をはじめた1992年からの、市川市測定局4局における定例測定日を挟む24日間のNO2濃度平均値の推移を表します。6月度と12月度を分けて表示します。
図3 市川市測定局の22年間における24日間NO2平均濃度の変化
各年度とも定例測定日を挟む24日間の平均濃度
一般局:本八幡局と新田局の平均値、自排局:市川局と行徳局の平均値
(市川市環境保全課提供データをもとに作成)
6月度
12月度
各点は24日間という長期間の平均濃度なので、そのシーズンのNO2濃度をほぼ正しく表していると見られます。グラフが示すように、6月度、12月度とも2000年ごろから住宅地(一般局)も沿道地(自排局)も車排気ガス規制の強化などにより、漸減傾向が見られます。従って2013年12月度に見られたNO2濃度の上昇も、定例測定日が高濃度の日であったことを反映したものと見られます。ただし、特に12月度の住宅地点では濃度の低下が鈍化していますが、これは車の台数が増えて住宅地域の走行量が増えているためでしょうか。今後の推移を監視しましょう。
2)市内地域別NO2汚染状況
(イ)市内の改訂地域区分と各測定数
地域間の区分を分かりやすくし、地域間の測定数の偏りを緩和するために、2010年度から従来の6区分を5区分に改訂しました。新区分による5地域に入る町名を表4に、市川市の区分略地図を図4(P.7)に示します。
表4 市川市の地域区分と所属町名
区分の説明 | 所 属 町 名 | |
A北西部 | 従来と同じ。国府台、国分以北、曽谷以西 | 堀之内、北国分、中国分、国分、東国分、国府台、曽谷、稲越、 隣接松戸地区(矢切、三矢小台、20世紀が丘、) |
B北東部 | 従来と同じ。下貝塚以東、奉免、柏井以北 | 大町、大野、南大野、柏井、下貝塚、奉免、松戸市串崎新田 |
C中北部 | 真間、須和田、宮久保、北方町以南、JR線以北 | 真間、須和田、菅野、宮久保、北方町、市川、東菅野、八幡、 北方、本北方、鬼越、高石神、中山、若宮、東八幡、 |
D中南部 | JR線以南、江戸川以北 | 市川南、新田、大洲、平田、大和田、東大和田、南八幡、稲 荷木、鬼高、田尻、高谷、原木、二俣、上妙典、二俣新町、高谷新町、東浜、船橋市本中山 |
E南部 | 江戸川以南。従来の南西部とほぼ同じ | 川原、下新宿、妙典、下妙典、本行徳、行徳駅前、南行徳、本塩、富浜、塩浜、 関ヶ島、伊勢宿、押切、末広、塩焼、宝、幸、湊、湊新田、香取、加藤新田、 高浜町、入船、日の出、欠真間、相之川、広尾、島尻、新井、福栄、新浜、千鳥町 |
この地域区分による2012年度の地域別測定数とその割合は下表の通りです。北東部と南部の測定数が少ない状況です。
市全域 | A北西部 | B北東部 | C中北部 | D中南部 | E南部 | |
6月度( 割合 %) | 377(100%) | 159(42%) | 43(11%) | 83(22%) | 59(15%) | 33(9%) |
12月度( 割合 %) | 387(100%) | 165(43%) | 44(11%) | 80(21%) | 60(16%) | 38(10%) |
(ロ)市内地域別のNO2汚染状況
(a)全測定地点の地域別、町名別表示
全測定地点の測定値一覧表を、従来のカプセル番号順ではなく、各地域毎と更に町名別に分けて一覧表としました。Ⅱ.市内地域別測定値一覧表(P.14~P.24)に示します。これを用いることにより、町名からそこのNO2による汚染状況の概略値を知ることができます。
(b)市内地域別の住宅地点と沿道地点のNO2平均濃度とその推移
2013年度の地域別の住宅地点・沿道地点のNO2平均濃度と測定数を表5に、地域別の平均濃度の比較を2012年度(参考として)とともに図5に示します。
表5 2013年度 市内地域別の住宅地点と沿道地点のNO2平均濃度と測定数
市全域 | A北西部 | B北東部 | C中北部 | D中南部 | E南部 | ||||||||
濃度(ppm) | 地点数 | 濃度(ppm) | 地点数 | 濃度(ppm) | 地点数 | 濃度(ppm) | 地点数 | 濃度(ppm) | 地点数 | 濃度(ppm) | 地点数 | ||
6月度 | 全域 | 0.016 | 377 | 0.016 | 159 | 0.011 | 43 | 0.014 | 83 | 0.019 | 59 | 0.022 | 33 |
住宅地 | 0.012 | 249 | 0.011 | 102 | 0.010 | 30 | 0.011 | 59 | 0.015 | 33 | 0.017 | 25 | |
沿道地 | 0.024 | 128 | 0.025 | 57 | 0.016 | 13 | 0.022 | 24 | 0.025 | 26 | 0.035 | 8 | |
12月度 | 全域 | 0.048 | 387 | 0.048 | 165 | 0.041 | 44 | 0.049 | 80 | 0.053 | 60 | 0.048 | 38 |
住宅地 | 0.043 | 252 | 0.041 | 108 | 0.040 | 31 | 0.045 | 57 | 0.051 | 31 | 0.042 | 25 | |
沿道地 | 0.057 | 135 | 0.060 | 57 | 0.041 | 13 | 0.059 | 23 | 0.056 | 29 | 0.059 | 13 |
図5 2013年度市川市内地域別NO2平均濃度
6月度
12月度
各地域を概観しますと、最も測定数の多い北西部は、2008年に外環道路国道部分が松戸街道に接続され、大型貨物車が常時多数通るため、沿道部の濃度は6月、12月とも高くなっていますが、2車線なので台数は抑えられ、住宅地はそれ程高くなりません。北東部は大型道路は旧市松有料道(松戸原木線)ぐらいで、常に沿道部、住宅地とも最低濃度となっています。中北部は主に14号線と市川柏線が走り、沿道部は北西部と同等ですが、住宅地は同等かやや高めになっています。中南部は大型の京葉道路と松戸街道に連結する産業道路が走り、沿道部は北西部と同等ですが、走行台数が多く住宅地はより高濃度となっています。南部は大型道の湾岸道路が走り、沿道地も住宅地も高濃度となっています。
湾岸道路や京葉道路のような大型車の率が高く車両走行量の多い大型道路は、その排出ガスの影響は沿道部だけでなく広範囲に及ぶため住宅地の汚染度も高めています。外環道が部分接続された松戸街道や産業道路は多量の大型車走行により、沿道部と周辺部の汚染を高めています。現在建設中の東京外環道路は、湾岸道路と同等の交通量が見込まれ、市川市の住宅地を縦断することから、これによる広範な大気汚染が危惧されます。
(3)幹線道路沿線の汚染度
市内と近辺の幹線道路沿道における6月度と12月度測定値の一覧をⅣ.2012年度市内と周辺部の主要道路沿道部測定値一覧表(P.28~P.34)に示します。それら各道路沿道のNO2平均濃度と測定数について2007年から6年間の値を表6(P.11)に示します。
またこれら道路のうち、ここ数年における測定数が10ヶ所を超えている 国道14号線、松戸街道、産業道路 の3道路と、参考として外環計画路線の計4路線について、平均NO2濃度の6年間の推移を図7(P.12)に示します。
図7 測定数の多い幹線道路のNO2平均濃度の推移
表6 幹線道路沿道のNO2平均濃度及び測定数とその推移
2007年度 | 2008年度 | 2009年度 | 2010年度 | 2011年度 | 2012年度 | 2013年度 | |||||||||
濃度ppm | 地点 | 濃度ppm | 地点 | 濃度ppm | 地点 | 濃度ppm | 地点 | 濃度ppm | 地点 | 濃度ppm | 地点 | 濃度ppm | 地点 | ||
6月
度 |
国道464号 | / | / | 0.041 | 4 | 0.026 | 7 | 0.026 | 8 | 0.034 | 4 | 0.019 | 9 | 0.015 | 9 |
国道6号線 | 0.054 | 4 | 0.069 | 4 | 0.050 | 2 | 0.038 | 6 | 0.053 | 6 | 0.033 | 6 | 0.026 | 6 | |
旧市松有料 | 0.042 | 5 | 0.036 | 7 | 0.032 | 7 | 0.022 | 7 | 0.043 | 7 | 0.028 | 7 | 0.018 | 8 | |
国分バス通り | 0.028 | 5 | 0.028 | 5 | 0.029 | 5 | 0.026 | 8 | 0.033 | 5 | 0.023 | 6 | 0.019 | 6 | |
国道14号線 | 0.034 | 12 | 0.038 | 14 | 0.031 | 20 | 0.033 | 20 | 0.036 | 15 | 0.028 | 17 | 0.021 | 16 | |
市川柏線 | 0.020 | 4 | |||||||||||||
橡の木道路 | / | / | 0.044 | 2 | 0.035 | 5 | 0.029 | 6 | 0.035 | 6 | 0.022 | 2 | 0.019 | 2 | |
松戸街道 | 0.047 | 34 | 0.047 | 37 | 0.040 | 37 | 0.039 | 38 | 0.046 | 34 | 0.034 | 38 | 0.030 | 41 | |
産業道路 | 0.027 | 2 | 0.050 | 13 | 0.049 | 13 | 0.051 | 14 | 0.049 | 13 | 0.030 | 15 | 0.027 | 15 | |
京葉道路 | 0.060 | 2 | 0.047 | 5 | 0.033 | 5 | 0.027 | 5 | 0.038 | 3 | 0.027 | 3 | 0.021 | 6 | |
湾岸道路 | 0.057 | 6 | 0.059 | 7 | 0.052 | 7 | 0.062 | 6 | 0.064 | 6 | 0.049 | 6 | 0.047 | 5 | |
行徳バイパス | / | / | / | / | / | / | / | / | 0.038 | 3 | 0.020 | 6 | 0.014 | 3 | |
埼玉外環道 | 0.052 | 36 | 0.053 | 41 | 0.040 | 49 | 0.032 | 50 | 0.042 | 50 | / | / | / | / | |
外環計画線 | 0.025 | 21 | 0.024 | 25 | 0.021 | 26 | 0.019 | 35 | 0.030 | 37 | 0.019 | 38 | 0.013 | 35 | |
12月
度 |
国道464号 | / | / | 0.040 | 4 | 0.030 | 7 | 0.042 | 4 | 0.036 | 7 | 0.021 | 9 | 0.040 | 9 |
国道6号線 | / | / | 0.063 | 3 | 0.042 | 3 | 0.066 | 5 | 0.050 | 6 | 0.042 | 6 | 0.067 | 4 | |
旧市松有料 | 0.051 | 4 | 0.041 | 7 | 0.036 | 7 | 0.046 | 7 | 0.037 | 8 | 0.038 | 9 | 0.056 | 8 | |
国分バス通り | 0.053 | 5 | 0034 | 5 | 0.024 | 5 | 0.037 | 6 | 0.040 | 7 | 0.034 | 6 | 0.034 | 6 | |
国道14号線 | 0.059 | 8 | 0.048 | 14 | 0.039 | 19 | 0.067 | 15 | 0.041 | 15 | 0.044 | 15 | 0.060 | 17 | |
市川柏線 | 0.024 | 4 | |||||||||||||
橡の木道路 | / | / | 0.039 | 6 | 0.029 | 6 | 0.054 | 6 | 0.049 | 6 | 0.038 | 6 | 0.051 | 4 | |
松戸街道 | 0.067 | 29 | 0.053 | 37 | 0.036 | 36 | 0.065 | 36 | 0.054 | 36 | 0.044 | 38 | 0.066 | 40 | |
産業道路 | 0.053 | 3 | 0.059 | 14 | 0.040 | 15 | 0.090 | 16 | 0.038 | 15 | 0.057 | 14 | 0.055 | 17 | |
京葉道路 | 0.063 | 5 | 0.050 | 5 | 0.042 | 5 | 0.043 | 3 | 0.044 | 4 | 0.040 | 4 | 0.059 | 6 | |
湾岸道路 | 0.069 | 7 | 0.054 | 7 | 0.044 | 7 | 0.057 | 7 | 0.049 | 6 | 0.048 | 6 | 0.068 | 6 | |
行徳バイパス | / | / | / | / | / | / | / | / | 0.035 | 4 | 0.030 | 6 | 0.053 | 5 | |
埼玉外環道 | 0.071 | 36 | 0.053 | 49 | 0.040 | 50 | 0.050 | 50 | / | / | / | / | / | / | |
外環計画線 | 0.042 | 22 | 0.033 | 25 | 0.024 | 25 | 0.046 | 37 | 0.031 | 37 | 0.032 | 39 | 0.045 | 42 |
(*)外環計画線は参考として表示した
外環道の国道部分が2008年3月に県道市川松戸線(松戸街道)に接続されたために、松戸街道とこれに連結して京葉道路に通じる産業道路の汚染が高くなっています。また外環道計画路線と各幹線道路との濃度差が近年狭まってきています。これは外環道建設工事の影響と共に、市内を走行する大型車が増えていることの影響も考えられます。なお、埼玉外環道の測定は、当面中断しています。
4.市内低濃度地点と高濃度地点
2013年6月度と12月度の低濃度、高濃度上位30地点をⅢ.2013年度市内低濃度高濃度上位30地点一覧表(P.25~P.27)に示します。なお最終濃度が30位を越して続くときは、最終濃度の全地点を表示しました。
それぞれの区分の平均濃度、最低濃度、最高濃度とその推移を表7に示します。これが市川市内の低濃度地点と高濃度地点の汚染の程度を示していることになります。
表7 2012年6月度、12月度低濃度、高濃度上位地点の平均、最低及び最高濃度
6月度
年度 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | |
低濃度上位地点 | 平均濃度(ppm) | 0.019 | 0.019 | 0.014 | 0.009 | 0.018 | 0.011 | 0.005 |
最低濃度(ppm) | 0.011 | 0.014 | 0.009 | 0.003 | 0.008 | 0.005 | 0.001 | |
最高濃度(ppm) | 0.022 | 0.021 | 0.015 | 0.011 | 0.021 | 0.012 | 0.006 | |
高濃度上位地点 | 平均濃度(ppm) | 0.052 | 0.057 | 0.049 | 0.052 | 0.062 | 0.043 | 0.040 |
最低濃度(ppm) | 0.045 | 0.046 | 0.040 | 0.038 | 0.050 | 0.035 | 0.033 | |
最高濃度(ppm) | 0.075 | 0.111 | 0.067 | 0.100 | 0.091 | 0.057 | 0.054 |
12月度
年度 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | |
低濃度上位地点 | 平均濃度(ppm) | 0.030 | 0.023 | 0.017 | 0.026 | 0.019 | 0.016 | 0.024 |
最低濃度(ppm) | 0.014 | 0.016 | 0.013 | 0.012 | 0.013 | 0.009 | 0.008 | |
最高濃度(ppm) | 0.037 | 0.027 | 0.019 | 0.029 | 0.022 | 0.020 | 0.031 | |
高濃度上位地点 | 平均濃度(ppm) | 0.072 | 0.062 | 0.046 | 0.087 | 0.064 | 0.063 | 0.074 |
最低濃度(ppm) | 0.061 | 0.052 | 0.040 | 0.065 | 0.052 | 0.054 | 0.067 | |
最高濃度(ppm) | 0.098 | 0.080 | 0.065 | 0.141 | 0.095 | 0.081 | 0.100 |
注)6月度12月度とも2007~2010年は上位50地点、2011~2012年は上位30地点の値を示す。
5.おわりに
◆ 2013年度の測定を終わって。
私たちが絶えず呼吸している大切なこの大気について、2013年度も少なくとも6月と12月の測定時点で、大気汚染物質二酸化窒素(NO2)による汚染状況をしっかりと掴むことが出来ました。これも皆様のご協力によるもので厚く感謝申し上げます。
NO2の濃度は市全体で同じような波で動き、6月は低い波の時に当たり私たちの測定値も全体で低くなり、12月は高い波で測定値も高くなりました。しかし24日間という長期間の平均値でみると6月とともに12月も低下傾向にあることが分かりました。しかし、身近な松戸街道などの状態を見ても、大型車両の多さにこれで良いのかと感じます。喘息児が増え続けているという事実もあり、また特に12月の測定で住宅地での高濃度が顕著でしたが、これも多量の大型貨物車の影響が考えられます。貨物の運搬法の改良と貨物車が出す超微粒子等の排気ガスの規制強化が必要だと思います。
それから12月の測定で起こった異常値について今後の参考までにお知らせします。いずれも異常な高濃度となったもので、一例は石油ファンヒーターの排気口の近くに取付けたもので、他の例はカプセル回収後大分遅れてから青いゴムキャップをしたというものでした。ご参考までに。
◆ 1日計の欠点を補う1カ月計が開発中です。
私たちの使っているカプセルは24時間の平均大気中NO2濃度を見るもので、その時の大気の状況の影響を受け、この測定値だけで大気がきれいになっているのか、汚れてきているのかを判断できません。そこで1カ月計という長期の平均濃度を見るカプセルを天谷先生が開発し、市川、千葉、四日市で試験測定中です。1日計と同様の簡易カプセルで、これまでの試験で良い成績が得られており、近く広く使われるようになると思われます。
簡易カプセルによる大気中NO2濃度の測定法(当会が用いている方法)
大気中のNO2を吸着する試薬を浸み込ませた濾紙を封入した天谷式改良型簡易カプセルを、測定するところに栓を取って24時間放置し、測定後カプセルに栓をする。分析時にこのカプセル中にザルツマン試薬を入れると蘆紙に吸着したNO2量に応じて着色し、この色の濃さを専用の分光光度計(ユニメーター)で電流値として測定し、あらかじめ標準NO2濃度液を用いて作成した(μA⇔μg)の検量線を用いて捕集したNO2量(μg)を求める。捕集量(μg)を行政測定局で用いている大気中の濃度(ppm)に換算するには、あらかじめカプセルを複数の行政局に取付けてカプセルの捕集量(μg)と行政局の大気中濃度(ppm)との相関式を求めておき、これを用いて大気中濃度(ppm)を求める。
以上
市川の空気を調べる会
会員(賛助会員)募集中
当会は、主に自動車の排気から生じる二酸化窒素(NO2)を測定して、市川市内全域の車排ガス汚染を観測しています。測り方は簡単です。ご自分の毎日吸う空気や気になる場所の空気を測ってみませんか。
測定日時:毎年2回、6月と12月の第1木曜午後6時又は4時からの24時間
測定方法:お渡しするカプセルの蓋を取って測定場所にガムテープで貼り付けて放置し、24時間後に回収して蓋をし、「調べる会」にお渡しください。
測定原理:上記の通りです。
特 典:測定を希望する場所(屋外)の数だけカプセルをお渡しします(1ヶ所2本、測定場所は当会とご相談ください)。測定したNO2濃度は、速報或いはこの年度報告書によって知ることが出来ます。年度報告書では市川全域の汚染の状況を知ることも出来ます。
入会の方法:下記にご連絡いただくか、郵便局で会費を払い込んでください。
口座番号;00130-4-260069
加入者名;市川の空気を調べる会
年会費;会員 2,000円、賛助会員 1,000円
連絡先:鈴木 一義 市川市国府台3-11-2 TEL&FAX;047-373-8369
E-mail:kazu38yoshi@eos.ocn.ne.jp
秋元 久枝 市川市国府台3-8-4 TEL&FAX;047-373-1971