カテゴリー別アーカイブ: 東京外環道路

臨時ニュース

NO2  2018年12月測定結果概要の報告

 市川の空気を調べる会では毎年6月と12月の2回、簡易カプセル(天谷式カプセル6G)を用いて市川市内各地のNO2(二酸化窒素)汚染濃度を測定しています。2018年12月の測定結果がまとまり、去る2月24日の総会で報告されましたので、みなさまにお知らせ致します。

市内各地域の汚染濃度は中南部地域を除き

外環開通前の3年間平均にくらべ2~5割の増加

 測定は市内(市川に隣接する松戸市南部の一部を含む)305地点で、12月6日(木)午後6時から翌7日(金)午後6時までの24時間行いました。その結果、全地点の平均は0.038ppmで2017年の0.023ppmに比べ高く、外環開通前2015年から2017年の3か年の平均0.030ppmに比べても3割近く高い値でした。 市内をA~Eの5地域(図1)に分けて比べると表1(A)のように、北西部が約2割、北東部、中北部が3割以上、南部が5割以上の増加となっている一方、中南部は4%程度の微増でした。

市川市内(隣接松戸市域を含む)区分 A北西部 B北東部 C中北部 D中南部 E南部(詳細は裏面)

 大気汚染は気象条件などでも変わります。表1に見られる外環開通前後の違いが、測定日による気象条件などの影響をどの程度受けているかを見るため、市川市測定局の中から、外環から遠い、大野局(大野小学校)と行徳駅前局を選び、私達の測定日に対応

する値を、開通前3年間と2018年で比べてみました(表2)。

表1 市内5地域の12月平均NO2濃度を2018年と外環開通前3年間の平均と比べた結果

  開通前 (2015~2017) 平均 開通後 (2018) 外環開通前後の比    A = b/a 気象条件等の 影響除去後の比 B=A/R  R=1.02
a    b
A 北西部 0.0290ppm 0.0352ppm 1.21 1.19
B 北東部 0.0233 0.0304 1.30 1.28
C 中北部 0.0307 0.0410 1.34 1.31
D 中南部 0.0373 0.0395 1.06 1.04
E 南部 0.0337 0.0510 1.51 1.48

表2  大野局、行徳駅前局で測定された12月測定日に対応するNO2濃度の外環開通前後の比

 各年 測定日 2015年 12/3~12/4 2016年 12/1~12/2 2017年 11/30~12/1 外環開通前3か年平均  2018年 12/6~12/7 外環開通 前後の比
大 野 局 0.0252ppm 0.0242ppm 0.0144ppm 0.0213ppm 0.0211ppm 0.99
行徳駅前局 0.0268 0.0285 0.0195 0.0249 0.0262 1.05
2局平均値 0.0260 0.0264 0.0170 0.0231 0.0236 1.02 = R

外環開通前後の濃度比は大野局が0.99、行徳駅前局が1.05, 二局平均では1.02と違いは微小で、気象条件などの影響は小さいことがわかりました。表1では各地域の外環開通前後の比を大野、行徳二局平均の外環開通前後の比R(=1.02)で割り、気象条件などの影響を除去した値としました。

松戸街道「変わらず」、産業道路は「減少」でしたが

国道464、国道14号では「大きく増加」でした

 「外環開通で市内の交通渋滞が改善した」という声もあります。しかし市川市内の道路の交通状況は外環開通で交通量が減ったところもあれば、増えたところもあるというのが本当です。そうした道路交通状況の変化で道路沿道のNO2汚染濃度はどう変わったでしょうか。3は市川市内6路線の幹線道路沿いの外環開通前後の値を比べたものです。外環開通前後の汚染濃度の比較の仕方は、「気象条件などの影響の除去」を含め表1と同じです。

表3 幹線道路における外環開通前後のNO2汚染濃度の比較

  外環開通前 (2015~2017)平均 外環開通後 (2018) 開通前後の比 A = b/a 気象条件等の 影響除去後の比 B=A/R  R=1.02
a    b
国道464号線 0.026ppm 0.037ppm 1.41 1.38
国道14号線 0.039 0.049 1.25 1.22
松戸街道 0.040 0.041 1.02 1.00
産業道路 0.045 0.039 0.86 0.84
3.4.18号線 0.031 0.037 1.20 1.18
外環道 0.032 0.036 1.13 1.10

表3を見ると、外環開通で交通量が減り、交通渋滞がなくなった例とされる松戸街道(県道1号 市川松戸線)の、NO2の汚染濃度は変わっていません。ただし松戸街道の延長で大洲から大和田方面に向かう産業道路(県道283号 若宮西船市川線)ではかなりの減少で、確かに松戸街道から産業道路を経て湾岸に向う大型車などが外環に移った効果が出ているようです。これに対して国道464号と国道14号の汚染濃度が大きく増大しているのが分かります。国道14号は市の中心部で外環と交差する国道ですし、国道464号は鎌ケ谷方面から大町など、市川の北部や松戸の南部を経て、千葉大園芸学部近くで国道6号に接続し、外環につながる道路です。

市内の汚染濃度の上昇は、

 

外環開通による市の外縁部からのクルマの増加が原因

 私達の今回の測定結果は外環の開通で、確かに一部の幹線道路では交通状況が改善され、その道路沿いのNO2濃度の改善をもたらしていることを示しました。一方、外環に接続する幹線道路の汚染濃度は大きく増大し、これらの道路でクルマが増え、環境が悪化していることを示しました。道路によって外環開通の影響はこのように違います。しかし市内全体ではNO2の汚染濃度が、外環開通後(産業道路の通っている中南部地域をのぞき)著しく増大していて、環境面で前者のプラスの効果よりも、後者のマイナスの効果の方が、ずっと大きい影響を与えていることになります。

「東京外環道」の悪影響

建設中の「東京外環道」は本当に必要なのか?                                地下水脈に悪影響、大気汚染が1か所に集中する可能性も

アベノミクスのもとで「環境破壊」進む?「東京外環道」が悪影響の可能性   SPA転載

公共事業予算が増え、全国各地で費用対効果の怪しい事業が進行している。そんな「アベノミクス」のもとで進む、環境破壊をリポートした! 安倍さん、それって必要ですか?

◆首都圏の地下水脈に悪影響、大気汚染が1か所に集中!?

東京外環道は、中央環状線や圏央道とならび首都圏を環状に結ぶ3つの高速道路「三環状」の一つだ。完成時の総延長は85kmで、都内を結ぶ約16kmの区間が’12年9月に着工。東京五輪・パラリンピックが開催される’20年の完成を目指して工事が急がれている。総工費は約1兆3000億円だ。

外環道が計画決定されたのは’66年。着工まで50年近くを要したのは、沿線で住民による猛烈な反対運動が起きたためだ。当初、外環道は地上に高架を設ける方式で計画された。しかし周辺の環境破壊や住環境の悪化などが予想され、10万筆以上の反対署名が集まるなどして’70年に計画が一度凍結。’07年に正式にトンネル方式へ計画変更された。

この計画に懸念を示しているのが、外環道の建設に反対する「外環ネット」の大塚康高氏。

「建設予定地は首都圏でも地下水が豊富な地域。トンネルができれば地下水脈を東西に分断する『遮水壁』となり、地盤沈下や井戸枯れが起きることも考えられます」

国交省は、地下水の多い場所でトンネルの真下を横切るようにパイプを埋め込み、流れを迂回させる「地下水流動保全工法」を採用するという。

「その工法を用いても、パイプが土砂で埋まってうまく地下水が流れなくなる可能性があります。環状八号線の井荻トンネルでも同じ工法が導入されましたが、トンネルで遮られた地下水脈の下流では最大十数センチの地盤沈下や井戸枯れが生じました」(大塚氏)

事業者はこれまで住民に対して「トンネル工事による地上への影響は生じない」と説明してきた。ところが’14年4月以降、トンネル工事沿線周辺の約2万戸を対象に「家屋調査」を開始。

「調査員が一軒ずつ訪ね、家屋の傾きや壁のひび割れ等を調べています。影響が生じないなら、なぜその必要があるのでしょうか」(同)

地下水だけではない。排気がもたらす大気汚染の心配もある。

「山手通りの下を走る中央環状線は、延長11kmの間に排気塔が14本設けられ、窒素酸化物なども除去する仕組みです。ところが外環道は16kmの間に排気塔が5本しか計画されていません」と、「市民による外環道路問題連絡会・三鷹」の小笠原俊文氏は訴える。

「排ガスが5本の排気塔に集中して放出されるため、1か所あたりの汚染物質濃度が非常に高くなる。事業者は排気を地上100mに吹き上げることで薄められると考えているようですが、冬の寒い日などには直下の地域に汚染物質が下降し、高濃度で滞留する可能性が高いのです。そうなれば呼吸器系の健康被害が心配です。そもそも、国の環境影響評価で使用された大気モデルによるシミュレーションは米国由来の古いもので、特殊な条件しか想定しておらず、現実に即していません」

民主党政権から安倍政権に代わった後の’13年、東京五輪の開催が決定。現在、関越道、中央道、東名道と交差する部分でジャンクションの建設工事が進んでいる。

同会の田代雄倬氏は次のように指摘する。

「行政は国内で初めてパブリック・インボルブメント(PI=住民参加)方式も導入しました。しかし結局、計画の見直しや建設にともなう環境影響などを指摘する住民の意見は反映されていません。海外でのPIは住民にも権限を持たせますが、日本では何の権限もない。形だけは住民の意見を聞くものの、実際には『建設ありき』で進んでいるのです」

国や事業者は外環道の必要性として「渋滞解消」「CO2の排出削減」「災害時の迂回道路の確保」などを挙げている。田代氏と小笠原氏は「時間がたつにつれて、説明がコロコロと変わった。とにかく造るとの結論があって、後から理由をつけ足しているのでは」と冷ややかだ。

大塚氏は交通量データをもとに、「外環道は不要」と訴えている。

「外環道と並行する環状八号線の交通量は’99~’10年の間で確実に減っています。また関東地方、および全国の交通量も’00年前後を境に減少基調にあります。ところがGDP(国内総生産)は伸び続けている。交通量と経済成長はイコールではありません。自動車に過剰に依存しなくても、経済を回していくことは十分に可能です」

取材・文・撮影/まさのあつこ 横田 一 斉藤円華
― アベノミクスの[環境破壊]が止まらない! ―

 

外環連合ニュース 2号

東日本高速道路会社が保存対象のクロマツを伐採 

国道 14 号隣接地に仮移植中の 20 数本

「工事の遅れを取り戻すのに邪魔」の理由に市川市も同意

市川市内の京成菅野駅と国道 14 号の外環工 事を担当している東日本高速道路会社は「同 区間の工事が遅れていて、平成 29 年度の供用 開始に間に合わせるためには菅野駅側からだ けでなく、国道 14 号側からも工事を行う必要があり、クロマツが邪魔になる」として 14 号陷接地に仮移植していたクロマツ 20 本以上を 伐採しました。

当初「200 本全部残せる」と強弁 現状、ついに 50 数本のみに

外環路線上には菅野から平田にかけ 200 本近くのクロマツがありました。外環受け入れ か否かを審議した市川市議会の外環特別委員 会で国土交通省首都国道事務所は「移植でク ロマツは全部残せる」と強弁していました。 しかし市が受け入れ後の「クロマツ移植検討 会」でクロマツの半数以上は移植に堪えない ことが判明、半数以上が伐採され、移植可能 と判断された 70 数本が工事終了まで数か所 に分けられて仮移植されていました。今回伐 採されたクロマツはその一つです。

雨の中、伐採中止を求める住民、関係団体の声を無視し強行

伐採は 6 月 13 日の月曜日から行われ、情報を知った菅野、平田の住民や「まちづくり家づくり Café」「緑の市民フォーラム」のメンバーなど10数人が隙の中駆けつけ、工事関係者に伐採中止 を要請しました。しかし東日本高速道路会社の工事責任者は「既に市川市や地元自治会も了解して いる」として伐採を強行しました。市川市の担当者は「クロマツを出来るだけ残すよう要望はした が、道路の供用開始が平成 29 年度以降になってはと、強く残せと言えなかった」と弁明。住民か らは「道路優先で、クロマツは守るという約束を忘れた市の姿勢」と批判の声が上がっています。

「外環の供用開始が優先、環境は後回しなのか?」

今回のクロマツ伐採に対する市川市の姿勢は「ほかの環境問霔でも同じことにならないか」とい う懸念を私達住民に抱かせます。市川市は 2013 年に市長名で国(首都国道事務所)に対し、環境 問霔についての要請を行っています。このなかで市川市は「ジャンクションなど構造が複隑で影雸 が大きい場所での大気、騒雴の詳細な影雸予渑」「埼玉区間の外環や名古屋環状道路での大気汚染 の実態調査に基づく汚染寄与溋度の検証」「騒雴については幹線道路沿いの現状の緩められた環境 基渰(昼間 70 デシベル、夜間 65 デシベル)だけでなく、アセスメント実施時の保全目標だった旧環境基渰(昼間 60 デシベル、朝夕 55 デシベル、夜間 50 デシベル)を達成するように」「騒雴対策は景観に配慮したものとすること」「環境モニタリングは供用開始の少なくとも 2 年前から開始す る」などを要請しました。

市の要請に首都国道事務所は回答なしのまま

上記、市の要請に対し国から回答がないまま、2 年が経過した昨年 11 月、私達は副市長と会見 し市の要請に対する回答を事務所側に促し、きちんと回答をもらうよう求めました。 席上、副市長はこれを確約しましたが、いまだに国からの回答は来ていません。

環境問題未解決のまま、供用開始をさせないために

市がよほど強い働きかけをしない限り、国が市の要請に応える見込みはありませんが、今回の「ク ロマツ伐採」で見られたような「道路の供用開始優先」の姿勢では望み薄です。こうした状況から 私達は「環境問霔が未解決のままの外環の供用開始を認めない」という意思を裁判所への「道路の 供用開始差し止め」の仮処分申請という形で表明したいと考えています。

外環連合ニュース

外環工事で大きな地下水位低下

真間川周辺6.7メートル、京葉道周辺8~9メートル

外環道路路線沿線で急激な地下水位の低下が進んでいます。これは昨年12月に県で開催された「東京外かく環状道路連絡協議会・環境保全部会」で事業者(国、東日本高速道路会社)が外環計画沿道地域に90か所程度ある地下水観測井戸の水位について報告したデータで明らかになったものです。これによると工事着手前と比べ、真間川周辺で最大6.7m、京葉ジャンクション周辺で8~9mと極めて大きな地下水位の低下がみられ、その他の多くの観測井戸でも3~4mの地下水位低下がみられています。

国分、須和田地区の井戸20か所で井戸枯れ、工事の影響と認め、事業者側が緊急対応

地下水位の低下で周辺の井戸で井戸枯れの影響が出ていることも明らかになっています。今年に入って市川市が東日本高速道路会社から受けた報告では国分地区、須和田地区でそれぞれ10か所、計20か所程度の井戸で井戸枯れが生じ、事業者側もこれらが外環工事の影響であることを認め、暫定的な水道管を引く緊急対応をしています。 地下水位の低下傾向は2012年頃から顕著になり、現在、それが強まる傾向にあります。今後もこの状況が続けば地盤沈下など地上部へ影響も懸念されます。市川市、松戸市の外環と似た構造の名古屋環状道路では地盤沈下による多数の建物被害が生じ、国会でも問題になっています。

工事前説明会では「地下水低下は起きない工法」と説明  現状は「注意深く監視する」だけで対策なし

外環計画ルートにあたる市川市の中心部は「国分谷」と呼ばれる氷河期に造られた大きな谷に堆積物が積もった軟弱地盤であり、外環の工事にあたっては大量の地下水を排水しながら進めなければならないことが分かっていました。工事前の説明会では地下水低下に伴う井戸枯れや、地盤沈下を心配する住民の声がでました。しかし事業者は「連続隔壁で工事区域への周囲からの地下水侵入を止めたうえ、工事区域内でくみ上げた地下水は、周辺に設ける復水井戸を通して地中にもどしていくから、地下水の低下は起こらない」と強弁していました。今、事業者の対応は「注意深く監視をつづける」だけで、急激な地下水低下に有効な対策がない状態です。

幹線道路沿いの騒音環境基準  「住民に窓を閉めた生活を強いることに正当性ない」

国道2号線判決で広島高裁が断じる

2014年1月、広島高裁が国道2号線の騒音問題に関し、住民の受忍限度を「昼間屋外で65デシベル、夜間屋内で40デシベル」とし、これを超える地域の住民や勤務者に対し、賠償するよう国に命じました。この裁判で国は「幹線道路沿道地域の騒音の環境基準は屋外で昼間70デシベル、夜間65デシベルであり、この範囲であれば住民に健康被害はでない」と主張していました。広島高裁はこの環境基準について「幹線道路住民が窓を閉めて生活することを前提に決められたもので、国が住民に窓を閉めて生活を強いることには正当性はない」と断じています。

外環での国、東日本高速道路の騒音予測値は 菅野蓋かけ出入り口周辺、国道14号交差点付近などで

昼67デシベル、夜64デシベルと広島高裁判決の受忍限度を超える

国と東日本高速道路会社は外環の騒音予測値で菅野の蓋かけ出入り口周辺や国道14号交差点周辺の値として昼間屋外で67~68デシベルとしています。これは国道2号線判決で示された受忍限度を超えています。また同地域の夜間屋外での騒音を64デシベルなどと予測していますが、これは通常の民家では室内での値が40デシベルを確実に超えるレベルです。こうした値でも国と東日本高速道路会社が「環境は保全される」と主張する根拠は「国が決めた幹線道路沿いの環境基準内におさまっている」という、国道2号線裁判の場合の主張と同じです。「住民に窓を閉めて生活することを強いるような環境基準に正当性はない」という判決を広島高裁は既に下しています。

深刻な騒音被害がもたらされる道路の供用開始は不当  

「外環の供用開始差し止め」の仮処分申し立てに向け準備

広島高裁判決に従えば、国と東日本高速道路会社が行った騒音予測値は、外環道路が道路周辺の住民や道路周辺の学校に通っている学童、職場の勤務者などに深刻な健康被害をもたらすと判断すべき値です。私達はこのような道路の供用開始は許されないと考えます。外環道路の環境問題についは千葉県公害審査会が調停案を示し、話し合いによる円満な解決を勧告したにもかかわらず、国と東日本高速道路会社がこれを拒否した事実もあります。私達はこうした過去の経緯も踏まえ、裁判所に外環道路の供用差し止めの仮処分を申し立てる方針を固め、準備を進めることにしました。

 

外環道路の現状と問題点 2015.4.4

外環道路の現状と問題点                  高柳さんから

1.事業の現状

2014年度で文化財調査が一部を残しおおよそ終了。高速部の全線で工事進捗                「外環本線の平成29年度末(2018年3月)供用開始」                                外環高速部  1~2年の遅れ  2020年前半    残事業費 約4052億円(全事業費9583億円)  一般国道部分 当面2車線 一部側道を利用

2.環境影響評価(事業者)

大気汚染 NO2  バックグラウンドの20分の1程度                                  大気汚染 SPM バックグラウンドの100分の1以下(実質的に寄与濃度ゼロ)                 ジャンクションについては未実施

騒音 全体に環境影響評価時の保全目標を超える

菅野、国道14号交差部では裁判で確定した受忍限度昼間65dBを超える(国道45号最高裁判決、

国道2号広島高裁判決)

北千葉ジャンクションについては詳細設計前を理由に未実施

市川市から事業者への要望書提出(2013年)

より詳細な大気汚染、騒音の分布予測

大気汚染については既存の類似道路との比較

騒音については環境影響評価時の保全目標達成を

景観に配慮した対策

事業者からの回答は得られないでいる。

3.今後の問題点

(1)道路構造、関連施設

側道片側2車線の区間が結構ある    国分地区は現状の県道と合わせ14~15車線?

「道の駅」は大型車のプール施設         京葉道路周辺、菅野駅周辺

(2)関連高速道路

北千葉道路  外環・湾岸道経由で成田と羽田を結ぶ幹線として推進

第二湾岸道  外環、北千葉道路によって交通量増大、湾岸部の開発を理由に促進の可能性

(3)接続道路の交通量増大で拡幅、新設

(4)地域分断の現実化

 

3・4・18号線について           金森さんから

裁判の係争の過程で、事業の様々な詳細な内容が明らかになり、かなりの成果は得られた。裁判中に代執行をやられたのが問題である。

4車線にはならず、2車線で決定したが、市川市の現在の交通量からして、外環開通前の27年度中実現であれ、2車線ではパンク状態となることは必至。

雷下遺跡  市川 国内最古の丸木舟

市川、国内最古の丸木舟 7500年前、魚介類など運搬 雷下遺跡       (千葉日報Webt転載)

千葉県は、市川市国分の雷下(かみなりした)遺跡から、国内最古となる約7500年前(縄文時代早期)の丸木舟が見つかったと発表した。これまで最古とされてきたのは、島根県松江市で発掘された約7000年前のもの。今回の発見は縄文時代の早い時期から、海で採れた魚介類を運搬する交通手段として丸木舟が使われていたことを示す貴重な資料という。

県文化財課によると、発掘された丸木舟はムクノキをくりぬいたもので、長さ約7・2メートル、幅約0・5メートル。側面が残っていないが、丸木舟としては大型だという。

同遺跡の発掘は、東京外郭環状道路(外環道)の建設のため県教育振興財団が2012年11月から行い、丸木舟は昨年11月中旬に見つかった。

木材の一部を採取し米国の分析会社で年代を測定したほか、一緒に出土した土器の年代から鑑定した結果、約7500年前のものと特定された。

現在の東京湾から同遺跡までは数キロ離れているが、当時は温暖化により海面が上昇する「縄文海進」が始まったころとされ、遺跡の周辺は干潟が存在するような地形だったとみられる。

遺跡内には縄文時代早期の貝塚があり、たき火の跡やドングリを貯蔵した穴、土を掘る堀棒とみられる木材も見つかっており、同財団は当時の生活や環境の様子を詳しく調べている。

縄文時代の丸木舟は全国で約160艘(そう)見つかっているが、今回を含め60艘が県内からの出土。当時の県内は縄文海進で入江が発達したことや、平たんな地形が多く海に出やすかったためとみられる。

県内のこれまでの最古例は、南房総市の加茂遺跡出土の約5300年前のもので、多古町でも約5000年前のものが出土。市川市での出土は初という。

出土した丸木舟は慎重に取り上げられ、防腐・保存処理される。県文化財課は「活用方法を考えていきたい」としている。

◆当時の「前線基地」 千葉大学の岡本東三名誉教授(考古学)の話
縄文時代人の海の活動の実態が分かる重要な資料。縄文時代の貝塚は台地上にあることが多いが、同遺跡の貝塚は谷の部分の非常に低い場所にあり珍しい。海に近いところに生産拠点を置いた「前線基地」のような場所とみられ、縄文海進の過程を証明する絶好の遺跡。当時の自然環境を復元するさまざまなデータが得られる意味からも、非常に重要な遺跡だと思う。

◇雷下遺跡 市川市の国分川西岸の標高約6メートルに広がる低湿地の遺跡。2001年から調査が始まり、これまでに地下4~6メートルの深さに縄文時代早期の遺物を含む包含層や貝層が見つかっている。約7千年前の「縄文海進」で、海が内陸まで入り込んでいた当時の海岸線付近に形成されたとみられる。

雷下遺跡で見つかった最古の丸木船      千葉県市川市の雷下遺跡